形見分けで現金を贈っても良いの?注意すべき3つのポイントとは

こんにちは!

大阪界隈の遺品整理を専門で1000件以上行ってきた、関西エコクリーン代表のシゲです。

大切な方が亡くなり、故人様の生前、お世話になった人や仲の良かった方に何かを贈り、いつまでも忘れないでいてほしいと思うことは当然のことですよね。

しかし、いざ“贈る”となると困ってしまう方も多いようです。

・どんなものを形見分けとして贈ればいいんだろう?

・食品や家電製品は形見分けとして贈っても良いの?

・現金を贈ることはマナーとして大丈夫なのかな?

中でも、「現金を贈ってもいいのかどうか」という疑問を持たれている方は多く、そのような相談も多く頂きます。

形見分けとして現金を贈っても良いのでしょうか?

今日は、そんな疑問について詳しく解説していきます。

これから形見分けを控えていたり、親戚の方などの四十九日法要を控えている方は是非、参考にして頂ければと思います。

形見分けに「現金」を贈るのはマナー違反?

さて、形見分けとして現金を贈ることはマナー違反になってしまうのでしょうか?

その点についてお伝えしていきます。

「形見分け」の本来の意味とはズレてしまう。

まず、注意しなければならないことが一点あります。

現金を形見として贈るということは、本来の“形見分け”の意味合いから、少し外れてしまうということです。

ただし、故人様の生前のご要望であったり、形見分けをしたいけどする品物が無い時には、現金や金券等で代用することも可能だということです。また、形見分けは必ず行わなければいけないというものではなく、ご遺族様からこじんさまの生前に関わった方たちへの“気持ち”の部分が大きいです。

形見分けの本来の意味って?

では、形見分けの本来の意味合いとは何なのでしょうか?

そもそも形見分けとは、日本に古くから伝わる風習の一つで、故人様が生前に大切にしていた品物を、交友の深かった家族や親戚、友人に分け与えることを指します。形見を身近なところに置いておき、故人様の事を忘れないようにするという、供養方法の一つでもあります。

形見分けという風習が生まれた理由として、故人様の遺品を無駄にしないという考え方が根本にあります。そのため、現金を形見分けの品として贈ることは、本来の形見分けの意味合いとは少しかけ離れてしまいます。

しかしながら、形見分けをするご遺族様側の気持ちとして、

「故人が生前にお世話になった方に何かお礼をしたい、覚えておいてほしい」

という方は多く、形見分けをする物はないけど、何かで代用したいという方はたくさんいます。

実際にあるケースとして、形見分けとして現金を贈る方も多いのですが、その際には注意しなければならないこともあります。

現金を形見分けする際の3つの注意点

現金を形見分けするのは問題なく、そのような方も多いということをお話してきました。しかし、現金を形見分けする際には、注意しなければならない点が3つあります。その点について詳しくお話していきます。

1. 贈与税や相続税はかからない範囲で行う。

形見分けをする際に、現金を贈る贈らないに関わらず注意しなければならないことは贈与税や相続税の事です。形見分けをするしないに関わらず、宝石類や絵画、骨董品など、物としての価値が高いものには、相続税が課せられます。

一方、形見を受け取る側としては、受け取った現金や品物が110万円を超えた時点で「贈与税」が科せられてしまいます。

注意しなければならないことは、一年以内に受け取った全ての現金や品物の合計が110万円を超える場合、税金が課せられるという点です。110万円を超えるものを一人の人に贈るというケースはまず考えられにくいかと思いますが、念頭には置いておきたいですね。

2. 現金は“財産”としてカウントされる。

故人様の形見は、遺産の一部としてカウントされ、「相続品」という扱いになります。特に現金の場合、全て相続人が相続することが法律で決まってしまっています。

そのため、遺産分割が済んでいない状態で現金を形見分けしてしまうと、相続トラブルにも繋がりかねません。遺産を形見分けとして贈る場合には、相続人と話し合い、合意を貰ったうえで行うようにしなければなりません。ただし、故人様の希望で、ご自身の現金を形見分けとして贈る際には遺産分割は考慮する必要はありません。

3. 無理やり押し付けてはいけない。

これも、現金を形見として贈る場合に限ったことではありませんが、無理やりに形見を押し付けることは控えましょう。

特に、故人様の希望があった場合等、どうしても受け取ってもらいたいという気持ちは強いことでしょう。しかし、形見分けは贈り物ではなく、素直に受け取ることができない方もいるので、贈られる人の気持ちに寄り添い、断られた場合には押し付けないようにしましょう。

形見分けの本来の意味を忘れてはいけない。

ここまで、形見分けとして現金を贈ってもいいのか、その際に注意しなければならないことな何なのかをお伝えしていきました。形見分けの品として現金を贈るのは問題ないのですが、考慮しなければならない点も多くあります。

形見分け本来の意味は、故人様の使用していた品を粗末にしないということであり、同時に、残されたご遺族様や親戚、友人の方の気持ちを整理するという意味合いもあります。相手の事を思った形見分けや、本来の意味合いを念頭に置いたうえで形見分けをすることで、多くの人が納得のできる物にすることができるのではないでしょうか。

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