こんにちは!
大阪界隈の遺品整理を専門で1000件以上行ってきた、
関西エコクリーン代表の竹中です。
遺品整理を進めていくと、処分するにはとてももったいなく、かといって、売却するのは躊躇われるものも結構出てきますよね。
特に、判断に困ってしまうのは故人様の宗派に関する物。
例えば、数珠なんかが遺品整理の時に判断に困ってしまうものの代表格になります。
今日はそんな、
“遺品整理時に困ってしまうものはどうしたらいいのか”
という疑問に対し、
“数珠”を中心にお話していきます。
これから遺品整理が控えてる方は勿論、
年末の大掃除に向けて、持っておいて損はない知識です。
数珠って形見分けしていいの?
結論から申し上げますと、故人様が大切に使われていた数珠を残されたご遺族様や、故人様と親しかった方の間で形見分けしても問題ありません。
数珠とは、本来は「お経を読む回数を数える道具」として使わていたものです。
神様や仏様に伝えたい思い“念”を、数えることを目的とした道具なので、
「念珠」や「数珠(寿珠)」と呼ばれるようにまりました。
現在ではあらゆる宗派で使用される数珠で、最も身近な仏具の一つです。
念の数を数えることに加え、厄除けやお守りとしての役割も担っています。
近年では日本式の結婚式等のお祝い事のアクセサリーとして使用される機会も増えてきており、さらに身近な仏具になりつつあります。
数珠を形見分けすることじたいは問題ありません。
ただ、数珠の持つ意味合いや、使われ方、
宗教的な観点から見た時に、一点だけ注意しなくてはならない点があります。
次の段落では「数珠を形見分けする時に注意しなければいけないポイント」を見ていきます。
数珠を形見分けする時に注意しなければいけないポイント
数珠の持つ本来の意味合いについては上でも少し触れましたが、
「持ち主の念を神様や仏さまに届けるための道具」です。
なので、持ち主の強い“念”が、
その数珠には込められているんですよね。
“念”とは、心の中で常に思っている思いの事で、
「こうなりたい」という自分に向けたものや、
「こうあってほしい」と他人に向けたものもあります。
その念の中には“人を幸せにしたい”という元に願われた陽の気を持った願いがある一方、
他人に向けられた陰の気を持った願いもあります。
そのような強い願いが込められた数珠を、
形見分けなどによって譲り受けるということは、
数珠と一緒に陰の気も陽の気も一緒に譲り受けることになります。
数珠に込められた念に気が付かないまま、
実際に使用したり、そばに置いておく等をしてしまうと、
形見分けで譲り受けた人の気持ちも、その念の方向に引っ張られてしまう可能性もあります。
よっぽどのことがない限り、
そのような事が起こることは無いかと思いますが、
そような可能性もあるということだけ、頭の片隅に入れて注意しておく必要があります。
数珠って何のための道具?本来の意味と役割。
数珠とは、本来は念仏を唱える時に
何回唱えたのかを数えるための道具です。
数珠の玉の数は基本的には108個と言われています。
この108という数字を見て
ピンときた方もいらっしゃることでしょう。
人間の煩悩の数は108つと言われており、
年越しの際にお寺の鐘が108回突かれるという事もありますね。
108の煩悩は、
欲・怒り・悩み・傲慢・疑い・六根の
6つに分類することができ、
それらが更に108に細分化されています。
ここで一つ一つの煩悩について詳しく触れることはしませんが、
調べてみて、自分自身の最近の行いや反省点と照らし合わせてみると面白いですよ。
数珠は108つの球からなるのが基本ですが、
近年では使いやすく、手ごろに手に入れられる物も増えてきてます。
108という数字にちなんで、半分の54個、
更に半分の27個、真ん中の0を抜いた18個等、様々なタイプが存在します。
また、数珠が環っかになっているのにも意味があり、
私たちの心が、仏様の心を通して丸く素直になるようにとの意味が込められています。
数珠はそのまま形見分けする?厄除けしてもらう?
ここまで「数珠は形見分けしてそのまま使っても問題ないのか」「数珠の持つ本来の意味」ということについてお伝えしてきました。
数珠は“持ち主の強い思いを神様や仏さまに届ける”といった特殊な道具です。
故人様の強い“念”がこもったまま形見分けをされた持ち主の手元に行ってしまっては、
その次の持ち主の思いや気持ちなど、目には見えない部分でのバランスを崩しかねません。
そのような考え方ががある一方で、「無理な金銭的な供養はかえって良くない」という考え方もあります。
(宗教的なもの、特に供養等は故人様のためであってお金儲けのためにあってはならないという考え方)
その遺品分けをしたい数珠の持ち主がどんな人物だったのか、
つねに何を思っていたのか、
何を信じていたのか。
一概に「供養するべき!」、「供養はしない方が良い!」とは言えません。
まずは一度、お世話になっているお寺や、その道に詳しい方。
遺品整理専門の業者に聞いてみても良いかもしれません。ただでさえ初めてのことが多い遺品整理や形見分けです。
遺品整理を専門でやっている業者などの詳しい方の意見を仰ぎ、間違いのない、後から思い返しても公開の無いような形見分けができる事を願っています。